この映画を初めて観たのは、実は試写会、それも、友人から、試写状が余っているので来ないかと急遽誘われて、であった。
だから、地球に隕石が激突するSFパニック大作という程度の情報しかなく、正直全く期待していなかったのだが、これが、なかなかに泣かせる感動作で、友人とふたりで、大変な拾い物と満足して帰った記憶がある。
モーガン・フリーマン、ロバート・ディバル、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、マクシミリアン・シェルといった超渋めの大物名優に、まだ無名時代のイライシャ・ウッドやティア・レオーニ、それに、ジェームズ・クロムウェルやチャーリー・マーティン・スミスが加わっての人間ドラマは、半年後公開された同じ題材を扱った大味で空疎な某超大作より、遥かに好感が持てる。
隕石が
ニューヨークに落下し、自由の女神が水没してしまうというビジュアル的にイケテル部分もあるが、映画のテーマは、飽くまでも"愛"。
恋人、夫婦、家族、親子、友人、同僚、人類、、、極限状況に突きつけられた者たちの様々な"愛"の示し方と結末が、哀しくも、美しい。
母を捨て、若い女性に走った父親に不信感を抱いていたT・レオーニが、大津波に飲み込まれる死の間際に和解出来た父を慕って発した"ダディ"に、あるいは、隕石襲来を止めるべく、自己犠牲の精神で身を挺して命を差し出す
NASAの宇宙船の艦長R・デュバルと、最期、運命を共にする若き女性乗務員の、それまでの世代間の断絶を越えた師弟愛とも言えるやりとりに、そして、迫り来る津波の巨大な山に、逃げることを観念し、赤ん坊を子供たちに託して、自らの死を受け入れたうえで、熱い抱擁を交わす無名の名もなき人々の姿に、思わず目頭が熱くなってしまう。
設定や、背景がしっかりしているので、何の矛盾も感じることなく安心して観れる映画。
冒頭から話にひきこまれてしまいます。
ティア・レオーニが、上手く話の進行を支えていて、彼女の戸惑いや家族への心情を通して、話に感情移入しやすくなってると思います。
巨大津波が押し寄せるシーンは、見事なCGで迫力があります。
このシーンだけでも、いろいろなドラマが隠されている。
助かろうと逃げ惑う人、あきらめて自然にまかす人、なんとか自分の家族だけでも・・・と、赤ん坊を娘に託す両親。
その描き方が見事だと思いました。
地球上で残された人々の心の葛藤、宇宙飛行士達の心の葛藤のどちらにも、感動せずにはいられません。
特に最後の、宇宙飛行士と家族との交信のシーンは、何度観ても、胸が熱くなって泣いてしまいます。
目が見えなくなった若手飛行士に、
スクリーン越しの子供の様子を教える飛行士の優しさにも、心を打たれずにいられませんでした。
同じテーマのアルマゲドンが、娯楽作品であるのに対し、こちらはヒューマンドラマに徹している。
アルマゲドンも感動しない事はないのですが、ちょっとふざけすぎた感があるので、どうも好きじゃない。
同じ気持ちの方には、ぜひこちらを観て欲しいです。