年の差の恋はすごいと思いました。でも、もっと発展させたら面白いかなとおもったので
星4つです。

読みやすい、あくの無い文体です。
さらさら、と読めてしまいます。
この物語は、なるほど、病気というのも一つのテーマではあるでしょう。
妊娠、出産という、女性にとっては人生の大きなイベントも、テーマであるでしょう。
しかし著者が、何より主眼に置いているのは、「夫婦というもの」についてだと思います。

夫側については、弱く、傷つきやすく、微妙な、しかし、どこか野性的な部分が、
妻側については、最近多くなってきていると思われる男女逆転の稼ぐ妻の、微妙な心理、頼りたい気持ち、
子を持つと決めた強さ、生への執着などが、シンプルな言葉で連ねられています。
愛し合う男女の、これほどまでに深く美しい愛情に、ページをめくるうえで何度も涙が流れました。

自分も既婚者なので、こういう夫婦の本当の愛を試される展開には弱いです。

この小説で描かれる夫婦は、等身大で、特別ドラマティックなわけでも、
熱すぎるわけでもなく、とてもありがちでリアルなのですが、
そこが羨ましくもあり、近い存在なので、自分も夫といられる幸せを噛みしめようという
気持ちにさせてくれます。

夫婦は、時に憎しみ合いますが、何十年たっても、このような唯一無二の、強い絆で結ばれた夫婦で
ありたいものです。

愛する人が傍にいる日々の日常に慣れきってしまった人には、お勧めの本です。

原作を読んで、薫のイメージにぴったりだと思っていた伊東美咲ですが、スクリーンで見たら、がっかりでした。可憐で、線が細いが、しっかりとした芯を持った女性であるはずなのに、彼女の演じる薫は、おどおどしていて、視線が定まらず、二人の男性に愛される魅力は正直ありませんでした。
佐藤浩市、仲村トオルの演技は、よかったです。特に、邦一役の佐藤浩市は、最高でした。
原作とは微妙に違う点も多々あったけれど、タミの役回りは、映画のほうがしっかり伝わったように思います。
啓子役の小島聖も、うまさを感じさせて、本当に伊東美咲だけが、残念でなりません。

原作を読んで、薫のイメージにぴったりだと思っていた伊東美咲ですが、スクリーンで見たら、がっかりでした。可憐で、線が細いが、しっかりとした芯を持った女性であるはずなのに、彼女の演じる薫は、おどおどしていて、視線が定まらず、二人の男性に愛される魅力は正直ありませんでした。
佐藤浩市、仲村トオルの演技は、よかったです。特に、邦一役の佐藤浩市は、最高でした。
原作とは微妙に違う点も多々あったけれど、タミの役回りは、映画のほうがしっかり伝わったように思います。
啓子役の小島聖も、うまさを感じさせて、本当に伊東美咲だけが、残念でなりません。

映画化とともに知った作品だが、映画を見る前に作品を読むことができたことを本当によかった！と思える力作だ。
（そして文庫で早速出ているからますますうれしい！）
薫自身が予想もしていない方向へどんどん揺さぶられて行く姿に、避けられない運命みたいなものを感じてしまう。
薫の静かながら滾る血潮と、『人形さん』と呼ばれるくらいのむしろ人間らしくないとも言える美しい白さが美しいコントラストになり、
字面だけ追っていても絵のように頭に浮かぶところが本当に圧巻だ。
まだ下巻を読んでいないので楽しみでしょうがないが、
本来人を好きになることは、選ぶとか以前に磁石のように引き付けあうことなのかもしれないと思った。