著者は岡山在住の
弁護士。マチベンの名のとおり、世の中の一隅でサラ金の取り立てに会ったり、訪問販売の被害に会ったり、離婚問題があったりという人たちの相談相手である。テレビでの行列のできる事務所などという
弁護士ではないこんな庶民の味方がいるということは、意を強くさせられた。一話簡潔(完結)で、読みやすい。
6回限りのドラマにしておくにはもったいない、濃縮
弁護士ドラマ。余分な遊びや
弁護士各々の生活描写はすっぱり切り捨て、彼らマチベンが担当する事件とその裁判について集中して濃密に描かれていた。
江角マキコ演ずる主人公が逆に被告人として法廷に立つドラマ全体のクライマックスに向かい、その少し前から4つの事件を描いていく。
回を追うごとに個々の事件(とマチベンたちが思ったこと感じたこと)が微妙に、あるいは深くリンクしているのが見えてきたのも面白かった。解決の仕方に釈然としなかった第2話(冤罪の話)が主人公が検事時代から引っ張ってる事件との対比になっていたのには唸らされた。
印象的な光の演出、鏡やガラスに映った人物像、近すぎるくらい人物に寄るカメラアングル等もドラマを効果的に盛り上げている。続編を期待したい作品。なんたって村ぽん(小林隆)の事件がまだ描かれてないし。(^^)
ユーチューブで聴いた「星空の下で」の不思議なメロディと不思議なリズムが気になっていました。このアルバムに辿り着き購入。のっけからいいですね。
スロウレゲエから始まり軽快な「扉を開けろ!」ではマービン・ゲイのwhat's going を連想。実にファンキーです。PCをしながら聴いていましたがこれはいけないと思いイヤフォンの音量を上げ寝転んで音楽に専念。
洗練されたR&Bが続くのかと思っていると3曲目の「悲しい日々」でがらっと変わってしんみり。次の「お前を救けにゆく」への接続が素晴らしい。京大西部講堂を思い出します。あの時はアンコール曲やったですね。同じ曲想の柔らかいピアノはスポーツ刈りの中西さんでした。
5曲目「
大阪へ出て来てから」ではエレピがメロディを無視するかのように勝手に弾いていてヴォーカルに思い切りかぶさっている。これが気持ちのいいものとは知らなかった。私もピアノをやりますがこんなに弾けたらいいですね。このブルージーは「むかでの錦三」まで楽しめます。2曲中「わい、わいら」が「俺、俺たち」に変わっていたので少し笑いました。わいはいけませんか。時代にあってない?あそう。
もっと行けと思っていたら「星空の下で」で違う世界にもっていかれた。
このアレンジは何と言ったらいいのでしょう。壮大。荘厳。宇宙的な広がりを感じます。美しい
バラードと呼びたい。サビが一等気持ち良かった。なにかスイングの感覚ですね。16分音符が効いていると思います。音符のずらし方がうまい。専門的なことを書くと嫌みっぽくなるので憚られますが書きます。
たとえば4分音符が3つ並んでいるとタンタンタンという平凡なリズム。最初の音符を8分休符と8分音符に分けるとタターンという軽快なリズムが生まれる。これは一例ですがあちこちでリズムフェイクをしている。16分音符で素早くやられると人は気づかないうちに乗ってしまいますよ。秀逸なのは「青空になる」の「にっなる」の部分。見事。スタカートで歌っていることも特筆すべきでしょう。かれほどリズムにこだわっているシンガーはいない。前から思っています。この曲のリズムをマスターしてカラオケで歌うと尊敬されるでしょうね。
このCDで感じるのはそれぞれ違った音楽性をテーマにしている処です。各曲ごとにテーマを打ち出して「こんなんどうや」と言われている気がする。レゲエありストライドピアノのブギウギあり。またヴォーカルのブルーノートの変則的がへこまずむしろ自然に新鮮に聞こえるのも驚きです。津軽海峡冬景色のハーモニック・マイナースケールに通じる音階のおもしろさ感じました。
タイトで強いたいこ、ギター、ベースすべて最高。素晴らしいユニットですね。自在なヴォーカルとハイレベルな演奏を存分に楽しみました。こんなCDはほかにないでしょう。
阿倍野YMCA予備校とマントヒヒに通っていた1973年の夏、4浪していた3年先輩に「いいバンドがあるから」と北新地のクラブに連れていかれました。派手な内装のお店でした。キー坊は私の3.5m前で汗だくになりながら歌っていました。
あの日の衝撃、感覚は今もあります。サウスの前のバンドでしょうか。バッドクラブバンド。熱さはずっと変わっていませんね。そして進化し続けていると思います。同時代に何度も見られて幸せです。NO.1のシンガーは東京オリンピックで歌うべきでしょう。是非名乗り出てください。全曲を聴き終わった今どこかへ旅をしたような気がします。