落語を漫画にした本です。落語の話の世界が十分楽しめる一冊になっています。収録されている噺の数も多く、落語初心者の入門書として、最適なのではないでしょうか。読み応えがあって、お得な一冊だと思います。
私の小学校は田畑に囲まれたところにありました。下校時に流れる音楽と空の夕日や、みんなではしゃいでいた顔とかが懐かしい。田舎育ちの私なので この曲を聞くと思い出します。
寺島町奇譚の陰であまり知名度は高くありませんが、滝田ゆうの隠れた名作のひとつ。昭和46年〜54年まで小説現代に連載されていました。
閑話(つれづればなし)なので、特に決まったテーマはないのですが、基本的には酒にまつわる話がほとんどというところです。
始めのうちは、まだ落ち着きがあり、抒情的な名品が多いのですが、後半では「飲み方が荒れて(ちくま文庫版下巻の嵐山光三郎氏の解説)」、刹那的かつ自堕落な飲み方を延々と見せつけられることになり、「寺島町」のように広く世間に受け入れられるものにはならなかったようです。 しかし、これもまた滝田ゆうにとっての抒情なのでしょう。
滝田ゆうさんの名を一躍高めた名作ですね。自身の少年時代を少年キヨシに託し、活き活きと描かれる戦前の玉の井風景。キヨシの自宅であるスタンドバー、オッカナイお母さん、飼い猫のタマ、銘酒屋の娼婦たち、玄米パンやキビ団子売り、メンコやベーゴマ、蛍狩り・・・よくこれだけ記憶されていたものだと驚嘆させられる描写。飄々とした線、語り口、そして独特の効果音に意味深な吹き出しが、何とも言えないペーソスを醸し出しています。空襲で玉の井が燃えるラストの章は、震えるほど感動的でした。何度も読み返している、永遠の傑作です。
著者の過去の作品をヒップアップして編んだ本。
マニアには安直な編集でも、初心者には入門書として好ましいだろう。
懐かしさ全開の滝田ワールドなんだから。
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