歴史上、優秀な人物とされながら、なぜか不遇だった人がいる。
逆に、今日からみて疑問符をつけたくなる人物が、なぜか当時は、
カリスマだったこともある。
それらを説明する一つのカギは、やはり話し方であろう。
高橋是清や中野正剛は、その話し方を聞くと、
なんとも聞き取りにくい、妙な話し方をしている。
人物や見識には大いに評価すべきところはあったが、
両者とも最後に非業の死をとげた。
逆に、松岡洋右や近衛文麿は聞き惚れてしまうと言っていい。
内容を十分に吟味しなければ、彼らこそ困難を解決できる
英雄だと思いたくなるような見事な話しっぷりである。
だが、その後の彼らが導いた結果は言うまでもない。
今の時代も、なぜか正しい意見が認められず、
間違った意見が幅を利かせることはあるだろう。
歴史上の人物の話し方や声の質に触れてみると、
なぜそのような理不尽なことが起きるのか、
その一端を知ることができるのではないか。
その意味でもこれは貴重な音声資料を集めたCDであり、
値段以上の価値がある商品である。
同シリーズの皇族の建物がすごくよかったのでこちらも読んでみた。
同じ明治大正時期の建物でも、皇族のそれと元勲のものとは全くたたずまいが違って
すごく面白かった。基本的に明治政府の元勲は元々有力藩の人(武士)ってことを考えると
公家の家と武士の家はこんな感じに違うだろうな、と想像はつくのだけど。
想像以上にはっきりと二者の建物が違っていて面白い。同じ時期に生き、どちらも
同じように海外生活をしている人が多いというのに。
どちらがいい、悪いではない。どちらもいい。他のシリーズも読みたいと思った。
版籍奉還から近代国家としての大日本帝国の成立までは、政治的な側面か、民間の経済活動の側面からばかりが語られる傾向にあった。
そのため、たとえば昔の銀行のようなものとして、「両替商」などといわれても、江戸時代の制度と現在の制度の基礎となった制度との具体的な関係にもイメージがわかず、昔の制度も分からないまま、貨幣制度も銀行制度も自然発生的に移行できたかのように語られる向きがある。
本書は、小説でありながら、大隈重信というキーマンに即して、(一方的な賛美に終わらず)その個人的な性格の長短も行間ににじませながら、貨幣制度移行に伴うドキュメントを、臨場感をもって明らかにしてくれる。
明快で、分かりやすい名著。
ちなみに:
明治期の政治家としての大隈重信に幻滅している人でも、本書を読めば、きっと大隈を好きになるだろう。
早慶の歴史から著名な出身者、豆知識まで何でも書いてあります。 誇り懐かしむOBが買って読んでもよし。在学生が自分の学校を知るために読むのもよし。 受験生がモチベーションアップに見るのにも最適です(落ちたら苦しみを増幅させそうですが)。 受験生、在学生の保護者にも是非読んでほしいですね。
内容が充実していて、一般の方々が読んでも面白いと思います。 六大学野球ファンなんかにもオススメです。 ただ国立大や早慶ICUレベル以下の出身の人が読むと不快かも。
内容はタイトルに同じ。日本近代史における歴史上の人物たちの 肉声を余すところなく収録したCDです。
一通り聴いた限りでは永井柳太郎が一番演説慣れしているというか 聴き取りやすい話し方です。その他の人たちは話し方が不明瞭だったり (音盤の状態に起因するものもあるが)噛んだりしているものもあって 面白いです。
解説書については各人のプロフィールが1ページづつあるだけであり、演説の 背景とか音源に関する話題はありません。
大まかな音源データは「SP盤貴重音源 岡田コレクション」 の ホームページで参照できます。
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