彼女のアルバムの中では、一番いい出来だと思います。 先週、ライブで生の彼女を初めて聞きましたが、とても歌の上手い人でした。 60代に入った彼女の声は、このアルバムを出した頃と大差ありません。
なんて上手い、引き出しの広いヴォーカルだろう。
コマーシャルソングを歌い続けて来た彼女がほとんどを作詞作曲したパティ色の美しいアルバム。
実力を余すところなく聴かせてくれます。
サポート陣もすごい。
スティーブ・ガッドを始めブレッカー兄弟、ウィル・リー、エリック・ゲイル…
こちらも魅力。
大御所ジャズ〜R&Bシンガーの新作である。 前作、前々作はストレートなビッグバンド・ジャズ作品で、 いずれも高い評価を得た傑作であった。
さてそれらに続く本作であるが、 てっきりジャズ作品をもう一発出してくるのだろうと思っていたら、 なんと、ジャズ色の希薄な現代的ロックアルバムだったからビックリ。
曲目はデズリー、ストーンズ、シナトラらの有名ヒット曲から、 知る人ぞ知る渋いナンバー、はたまたオリジナルもあったりと、 大変欲張りな選曲となっている。 しかしこれらの幅広いマテリアルを、 ゴスペル〜ロックンロール〜ソウルミュージックを基調に、 完璧にひとつの世界としてまとめあげることに成功している。 この人は曲作りにも才能があるが、 他人の曲を料理する腕前も相当なものである。 今回もその名シェフぶりを存分に発揮、 手垢の付いた名曲たちから新しい解釈・魅力を見事ひねり出している。
中でも白眉の名演は、ビル・ウィザーズ作《Lean on me》であろう。 原曲のほんわかとした雰囲気を一新、 ソウルをありったけ織り込んだドラマチックな展開の曲に仕上げている。 他にも、トップを飾るデズリー作の《You gotta be》も 原曲の繊細なアコースティック・ソウルナンバーというイメージを遠慮なく覆し、 ゴスペル隊を従えた力強いソウルナンバーに生まれ変わらせている。 彼女の斬新なアレンジ・解釈力だけではなく、 名ピアニストでアレンジャーのグレッグ・フィリンゲンスを共同プロデューサーに迎えたこと、 そしてポール・ジャクソン・ジュニアなど一流ミュージシャンを多数従えたことも、 そういった成功の要因である。
そしてやはり評価されるべきは、 還暦を過ぎているのにまったくつやを失わず、 声量も衰えることを知らない彼女の声であろう。 前作から四年も経っているわけだが、 衰えるどころかますます若々しく聞こえるほどだ。
昨今のヒット曲や流行曲ではビートのかっこよさなどクールさばかりが尊れ、 メロディーの美しさや歌詞の中身、 そして心に響く声・歌心というのが見過ごされがちだ。 そういう時代の流れにおいてみるとこのアルバムは 時代にそぐわないかもしれないが、 心動かされる音楽がここにはある (敢えて文句をつけるとしたら、 インディーレーベルから出されているためかジャケがしょぼい点、 日本盤には解説はついているが歌詞・対訳がついていない点であろうか)。
上記のことを総合して評価すると本作は、 パティのファンであろうとなかろうと 定価で買う値打のある逸品である。
好きなアーティスト(B・Nチャップマン、Mフランクス、Rクーリッジ)が歌っているので購入した。個々の選曲も良いが、アルバムとして全曲聴き通させる完成度の高いアルバムであり、2003年邦楽?癒し系アルバムとして感心した。セールスがどうであったか判らないが、半年経った現在CDショップであまりお目にかかれないのは残念な事である。個人的には、シーウィンドの看板Voによる9曲目「Carry on」のサビの部分にユーミンを感じ、今、最も注目のジェイクによる「春よ、来い」で締めくくる最後はとてもニクい。
『僕たちの洋楽ヒット DELUXE 1983-1984』(2012)
大人に人気だった洋楽シリーズのDX盤。改訂盤といったところでしょうか。なかなか良い仕上がりになっているコンピレーションです。
今や、ある程度の時代設定したコンピレーションなら、どれも同じ曲が何曲も入っていると言っていいくらい企画モノが多い世の中になりました。 しかしながら製作サイドの努力が切実に感じられた今作は嬉しい収穫です。ある特定のアーティストからは一定の曲しか使用許可が出ないようですが、それはそれで定番という事で割り切って聴いてみて感じた事です。
1.前回のシリーズより格段と音質向上している・・・いつもの定番の曲まで新鮮に聴けてしまう。これはスゴいですね。日本独自のリマスターなのかな? 2.嬉しい収録曲がたくさん・・・概要にもあるとおり珍しい収録曲多数です。国内盤だと他では見られない選曲。
個人的に 「You're Lookin' Hot」/ BARRY MANILOW 「One Thing Leads to Another」/ THE FIXX 「What's Love Got to Do With It」/ TINA TURNER
この3曲が入っていただけでも「買い」でしたが(笑) FIXXは、さらに嬉しいSingle Versionです。
しかし、その他に目立ったSingle Versionでの収録がなかったのは残念でした。 製作編集の際にその辺りにも着目されていたが、諸般の事情で実現出来なかった様ですね。それはそれでいずれかの機会に期待しながら、ヘヴィーローテーションしています。
確実にグレードアップしているコンピレーションでした ♪
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