この本を『作家・中村うさぎのデリヘル体験記』と思って手にした人は、ハズレと感じるかもしれません。 40代後半の中村うさぎが『自分が客から女として扱われるかどうか』という思いを抱いて、デリヘルに挑む姿には、同じ女性として共感できた。 世の男性は、中年女性を平気で『賞味期限切れ女』扱いしますから… そして後半の『東電OL殺人事件』再現フィクションは圧巻! 昼間は一流企業の総合職、夜は歓楽街に佇む娼婦…彼女がそうなっていった様は、決して狂気からではない! 女がいつまでも女として扱われない構造が、今の日本にはある。 東電OLの叫びは、中村うさぎの叫びであり、多くの日本女性の叫びでもある、ということに気付かされる本。
かなり分かりやすくて、初心者にはピッタリの内容だと思います。
戦場のメリークリスマスが13日でひけるようになりました。
大学のスクーリングの副教材として指定があったので 購入したのですが、そうでなければ買うことがなかったと思います。 「ブロンテ姉妹」とありますが、主に『ジェーン・エア』と 『嵐が丘』について、さまざまな方の批評が掲載されています。 映画化された『嵐が丘』についてもいくつか取り上げられていますが 私の好きな、ジュリエット・ビノシュ主演の作品についての言及が なかったのが残念でした。個人的には、あの作品が一番原作の雰囲気を 伝えているような気がしたので。
『宇宙兄弟』映画化記念で企画されたものなのかな。 読むまでは、宇宙一色かと思いきや…宇宙・兄弟・ロケット・夢といったキーワードから作家たちが小説やエッセイなどを書いている。 期待通り、辻村深月『宇宙姉妹』と中村航『インターナショナル・ウチュウ・グランプリ』が素敵な宇宙についての物語を描いたものでした。 始まりの物語と終わりの物語なんだけど、どちらも宇宙や宇宙飛行士に憧れる子供たちを描いている。 主人公たちの想いがあまりにも真っ直ぐで、見ているこちらの胸がキュンと疼いてしまう感じが良かったですね。 子供のときの自分を思い出してしまいますね。
ナンシー関が好きな人には、自信を持ってお勧めします。 泉ピン子や、花田家など、「今さら・・?」てな感じの人を取り上げていますが、聞き飽きた悪口と違う、面白い視点をついて楽しませてくれます。 特に、飯星景子については絶品。 新興宗教について、これほどあからさまに、庶民っぽい感覚で語っている言葉を、私は他に知らない。 私が飯星景子に感じていた違和感は、平易な言葉にすると、唖然とするほどひどい差別感からきていたのね・・。としごく納得できました。自己嫌悪。 他人に対する悪感情は、いつか巡り巡って自らに還ってくる。 それが中村うさぎにはわかっているのね。 クールです。
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