2編からなる短編集です。 極東のさらに端に位置する占守島でソ連の捕虜になった日本人の戦車兵がひょんなことからドイツ人捕虜とウクライナの大地をパンサー戦車に乗車して転戦していきます。 どうしようもないほど、限定された選択肢のなかで、生きねばならなかった人間の悲哀(決して表には出さないが)を強く感じることのできる作品でした。
追い詰められた状況の人々の行動をレシプロ戦闘機を駆るパイロットや研究者の視点から描いています。 著者の作品には珍しく、ちょっと想像力豊かな作品ですが、その点を考慮して星3つかな。
待ちに待った第3巻。
麗しのバラ2輪が公になり物語は佳境へ。
又良い所でストーリーが終わってます。
続編を強く要望。
キャラの書き方が変わってるのを
後書きにて暴露。。
滝沢聖峰ファン必見の3巻目です。
表題作「神々の糧」は太平洋戦争中の日本軍を主役とした怪奇SF譚で、題名から有名古典小説を連想された方にはネタバレしているのですが、滝沢氏の既出作品集「フー・ファイター」を気に入った方や特撮映画がお好きな方には限りなくお薦めです。
作者の地味なキャラクターデザインの日本兵が南洋の孤島で遭遇する怪異は当初からクライマックスまでの等比級数的なエスカレート振りが凄まじく、思わず呆気に取られます。
その他では珍しい第二次大戦中のフィンランドとソ連空軍の戦いを描いた掌編や、F1物等異色の短編も含まれており、バラエティに富んでは居ますが、やや散漫で拾遺集的な印象です。
それでも一見地味ながら綿密な取材に誠実な絵に奇想を加えた滝沢氏ファンには堪らない作品集です。お薦めです。
作者の作品は、ほとんど全作品所有している。 本格的な戦記物を書ける者が少ない現在、貴重な作者である。 時代背景、兵器の性能を良く知らずに書かれた、「何だこれは!」と舌打ちしたくなるような粗製濫造の作品群とは一線を画す、 私が内容を確認せずに、作者名だけで購入できる数少ない作者の一人である。
この作者の作品は、過酷な戦闘を淡々と写実するものと、SF的な要素を取り入れた意欲的な作品に別れる。 この作品「東京物語」は、言うまでもなく小津安二郎監督の名作「東京物語」をイメージして作られている。 毎日、前線で何千人も戦死している同じ残酷な戦争という時代背景の中にも、こうした淡々と過ぎる時間空間もある。 そして、それは激烈極まりない嵐の前の静けさを予感させる。
「薔薇物語」で、女性像を完成させた作者の、この作品に登場する女性も実に魅力的である。
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