この作品、めちゃくちゃ好きです。 何故みんな知らないの?という程。 ストーリーもいい、システムもボケたりして笑える要素有り、BGMなんかも秀逸。 新鮮なゲームでした。 売ってしまって後悔した作品は始めてです。
1991年に起こった東海大学「安楽死」殺人事件を取材しながら、安楽死や尊厳死について考察した本。
この事件は、家族に要求されて、多発性骨髄腫の末期患者に医師が塩化カリウムを注射し死に至らせたもの。判決は、懲役2年、執行猶予2年の有罪判決であった。 著者は、この裁判経過を追うだけでなく、安楽死と尊厳死の違い、安楽死として認定される要件は何か、それに照らして本件はどう評価されるか、等について解説を加えている。 また、終末医療に取り組む医師の活動や、看護士たちを取材し、医療・看護体制のあるべき姿についても考察している。
事件の裁判経過そのものがなかなか興味深いだけでなく、終末期医療について考えさせられる本であり、読むに値する本と思います。 ただ、残念なのは、著者が、事件を起こした医師個人を、個人の人格まで踏み込んで、繰り返して相当厳しくコメントすること。少しやりすぎという読後感が残った。
9月30日、入院患者の爪の処置を巡って傷害罪に問われ、福岡高裁で逆転無罪判決を受けた北九州八幡東病院の元看護課長について、福岡高検は上告を断念した事件では、病院が告発し事件となったのだが、同様に著者は、院内政争の被害者ではないか?と思わずにいられない、尊厳死を殺人にし、執行猶予付ながら有罪とした事件。 院内では当時、治療の中止を行う基準は定まっておらず、抜管を誰にも相談せず、短期間で決断を下してしまったのだろう。 それが入院2週間後と早めであったことも災いした。
川崎協同病院では、今年四月の事件公表後、治療中止の是非を判定する倫理委員会の設置、終末期医療についてのガイドライン作り、院内でのグループ医療の徹底など事件の再発防止策を打ち出したのだが、例えば腎不全などを薬剤であえて作り出すようにした後、脳死へと導き、自然死を待っていれば犯罪を立証することは困難だろうし、実際にそれに近い事は日常的に現場では行われているのではないか? その際患者の苦しみはどうか? 回復の望みのない患者に対して中心静脈栄養を行い延命を図るように、機械的に命を繋ぐ状態を長期化させれば家族への負担は増すし、患者の苦しみをも長引かせる事になるのではないか?
これではまともに家族の苦悩に向き合おうとする医療者ほど、殺人罪に問われる可能性が高くなってしまう。 明確な殺意や悪意が証明されない限り、医療者を殺人罪に問うべきではなく、それにより医療を萎縮させれば、患者・家族共に良い結果が得られるわけがない。
医療現場の透明性を更に確保しなければ、能動的な尊厳死が減りはしても、受動的に生かされる苦痛は増加しよう。
著者は開業医として評判も良く、済生会神奈川県病院および近隣の開業医との間で、よりよい病診連携を実現しようと意見の交換を行い、患者さんの紹介、逆紹介、在宅ケアについて、病院と開業医の間の具体的な問題を検討しているW(ダブルドクター)の会にも加盟し、より良い医療の構築に向け努力している。 そのような姿を知れば知るほど、医療と司法の乖離に気付かされる。
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