最近は純愛ブームらしいが、そもそもブームというものに意味など無いはずで、人は個人それぞれが好きなものを好めばいい。 閑話休題。 最初から最後まで飽きさせないこの映画。バブルに日本人が踊り狂っていた頃、日本人が海外でどんなことをしていたかわかる映画でもある。時代に閉塞感を抱いている今とは違う空虚な自信を抱いている日本人。逆に言えば「純愛」などにすがらなくても生きていけた強い時代が映し出されている。 この映画にはギャグと、事実のみが映し出されていて、薄っぺらい理想など存在しない。
遥か彼方(昔)、がんばるぞ、と思わせてくれたドラマでした。 小さな薬屋から流通革命を起こした男の波乱の人生です。裏のドラマがあり、 この安売り王の出現によって廃業させられた薬局の女が(いしだあゆみさん) つぶした安売り王の片腕として頭角を表し、その後波乱の人生を歩んでいくという様子は主人公のドラマと共にまったくこの作品の奥行きを醸し出しております。 最後の方で主人公が行った戦争の激戦地で砂浜に人骨を幻影としてみるというシーンは戦後日本の高度成長の原動力とその陰に隠れた大きな心の傷を感じさせてくれて深く考えさせられました。ぜひ観て欲しい、ドラマです。商慣習、商売の醍醐味と度胸の必要性、判断の重要性、人物の大きさの必要性などを教えてくれるお手本のような作品です。皆様お互いにがんばりましょう。
日本娯楽映画史にがははと輝く傑作。 そうさ、映画は家族みんなで見るものだ。 マカロニ・ウエスタンならぬ 「ラーメン・ウエスタン」という伊丹監督の茶目っ気も楽しい。 宮本信子って本当に素晴らしい演技をしてくれる。 観客を晴れ晴れとした心持にする女優は、日本には案外いない。
子供の頃から何度も見た映画だからどのシーンも思い出になっている。 冒頭の「正しいラーメンの食い方」は何度もまねした。 乞食が作るオムライスの楽しくてうまそうなこと! 品良くパスタを食べようとする御婦人達の滑稽さ! すっぽんという食材を知ったのもこの映画のおかげ!
食いしん坊は必見の食道楽映画なのだ。
余談になりますが 老人詐欺師が、代議士を装い高級中華店で 北京ダックをほうばるシーンが 僕は一番好きです。
この老人、今は亡き僕の祖父にうりふたつ。
この映画は父とよく見ていたのを覚えています。 僕が幼稚園に行く前に他界した祖父。
「おじいちゃんだ!」 っていっては盛り上がったっけ。
石原裕次郎率いる石原プロはこの頃がピークだった。 裕次郎自らも自社作品以外に本家・日活の大作「昭和のいのち」や 三船プロ&中村プロ、そして勝プロの作品に出演、かたち としてすっかり五社協定が崩れた時代だ。
ゆえに本作も大映から勝新太郎、東宝から星由里子を迎えた オールスターキャストになっており、見どころも満載である。 裕次郎社長が「映画はスクリーンで観るべき」との思想だったこと からなかなかソフト化されなかった訳だが、まあこうして石原プロ 作品群をHDで観ると、確かにこれは大画面で観たいなあ、とは思う。
富士山レーダーを富士山頂に設置する難工事は「黒部の太陽」に 続く「企業もの」になる。 21世紀になり渡辺謙が続々と企業映画に出演&プロデュースしている のも偶然ではなく、やはり当代の日本のスターは日本の凄みを表現 したいのだろう。
最近の日本人&企業は「ヤワになった」と言われるが、確かにそう かも知れないね。ブルドーザーでさえ最新兵器であり、まだ主流は「馬」 の時代だ。当然PCなどは無く、電話や通信網だって稚拙なものだ。 でもこの時代が逞しく見えるのは「機械に動かされている」今の日本人 たちの忸怩たる思いなのだ。
今やこの富士山レーダーさえ不要となり、40年後の現在は無人観測 になった。あのレーダーは富士吉田にモニュメントとして飾られている。 今裕次郎が生きていたら、どう思うだろうか・・・
映像はもう素晴らしいレストアがされており、文句ない画質で堪能できる。 日本映画ファンは必見の作品といえよう。星は5つです。
伊丹監督の作品を見る度に 惜しい監督を亡くしとつくづく思います どの映画も面白いエピソード満載で飽きません 今 こんな監督さんは皆無ですからね 未見の方々は是非 見てみてください
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