辻井君の自作集・・・たけしさんもTVで言っておられましたが、聴いていると本当に景色というか絵が浮かんできます。どれも美しい情景の音で溢れていて、心が癒されます。このCDは、まるで心のビタミン剤の様です。そしてこの自作集は、彼の作曲者としての才能を垣間見ることの出来る素敵な1枚です。そういえば、クライバーンコンクールのホストファミリーのお宅で飼っている犬が、辻井君がピアノを弾き始めるとやって来て、グランドピアノの下で寝そべっていた。という話を思い出しました。やはり辻井君の演奏は、ヒーリング効果があるのでしょうね!ただ、オーケストラバージョンでは辻井君のピアノ共演は1曲のみだったので、ちょっと残念でした。出来れば全曲共演して欲しかったと思うのは、私だけでしょうか・・・
自殺は考えていなかったけど、興味深いテーマなので買ってみました。哲学となるとちょっと遠く感じてしまうけど小説になっているので、わりとすんなり読めました。突然ソクラテスが出てきたりする話の展開の仕方に最初はとまどいましたが、一つの方向性があるので途中からは気にならなくなりました。繊細ゆえに自分で自分を苦しめてしまう主人公、人はなぜ自分を正当化するのか、ギリシャ哲学から見た自分の中にある善?などの洞察が興味深いです。途中で拾っていく言葉の中に参考になるものがいくつかあります。会話はスラスラ進んでいくけど、一つ一つが濃いので自分で消化するのに時間がかかるところがあります。いくつか共感できる言葉があるのでそういったいくつかの観点は、他の人に対して割り切ることや開き直ることの意味も考えさせられます。
以前にも野田啓介氏の「小説哲学史上・下」を読んだが、従来の哲学解説書には類を見ない解釈と氏の感性の鋭敏さと豊かさに胸のすく思いをしたが、今回も「自殺」をテーマに哲学小説を出されたと知り、興味深く読ませていただいた。他のレビューも指摘されている通り、哲学と言う難解で冷徹なイメージばかりが先行し、敬遠されがちな代物を、これほど私達の現実生活と密着させ、生き生きとリアルに解説しきったものは稀である。人は何らかの思想を土台として生きるものであり、その思想の内容如何によっては幸福にも不幸にもなり得る。いかに真実な思想を身に付けて現実生活を送るかということの大切さをこの書はあらためて教えてくれる。この書はフッサール現象学やソクラテス・プラトンのイデア思想という一見高邁な観念に見える哲学に、人の体温や息遣い、脈々と流れる血を送り込むことにより、彼らが表明したかった真のメッセージを読み手に平易に伝えてくれる。時間と空間を越えて、古の賢人達と「生と死の意味」を分かちあっているようにも思える。11年間3万人を超える自殺の問題をこの国のリーダーは解決できないでいる。この書を是非一読すべきと思う。
あの憎むべきオウム真理教の「地下鉄サリン事件」。その被害者達が自ら語る、事件後数年経った今も残る様々な後遺症。読み進むうち、あたかも自分が体験したような錯覚に陥る生々しい証言が、読者の涙を誘う。
ようやく発売されますね、ずっと待っていました。
もちろん購入して、何度も観かえします。
そして、物語の世界観を追体験します。
たぶん、何度でも泣けるでしょう...そして、生きてゆく勇気をもらうのです。
この作品は、そういう作品です。
私と同じ想いで待っていた人たち、DVD発売、おめでとうございます。
「ずっとあなたを想っています... 私がつないだ誰かの手のその先で、
誰かがあなたの手をつなぎます様に、繋いだ手に、想いが伝わります様に...」
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