「三人姉妹」のコメディー・フランセーズでの観劇に備えて購入しました。過剰に文学的かつ恣意的な意訳もなく、先入観なく原文に当たる前の下訳として最適だと思います。その意味で、学生さん向けかも。
藤原竜也の舞台 かもめ を見に行くので予習として購入しました。
ん〜、ワーニャおじさんのほうが今の時代向きなのでは?
傲岸不遜、その実折れそうな魂をかかえた独りよがりなKY芸術家って、ふらっと美女によろめく田舎の哀れなおっさんより遥かに前近代的におもえるのですが・・
実際舞台で見ると動きが加わり、スクリプト状態で理解し切れなかったところも感じられてよかったです
かもめ、ワーニャおじさん二作品ともにでてくる中年で美男の物慣れた鄙に似合わぬドクトル
がライトサイドチェーホフなら、トレープレフは貧乏で才能も認められぬダークサイドチェーホフなのですね
あとがきにも書いてあるが、文学史の流れから断絶されてひっそりと咲く花のような、愛すべき小作品集。
シンプルなストーリー。つつましい意外性。まっすぐで詩的な表現。これぞ物語。寓話。
モーパッサンの短編、内田百間『東京日記』と並んで大好きな短篇集のひとつです。
昭和30年代の中学の教科書に「アッタレ-ア・プリンケプス」が掲載されていた。 私は当時はじめての海外文学に触れたのだが、大変な衝撃を受けてことを憶えている。 それ以来この著者を忘れたことはない。 そのうち、著者ガルシンは33歳で自殺したことを知った。
細やかな神経と弛まぬ正義感が伝わってくる。 ここに収められている作品は、いずれも短編であるが、泣きたくなるほど素晴らしい。 ガルシンは20編しか残さなかったことが残念でたまらない。
この物語では盲目の少女ジェルトリュードを牧師の視点から純粋で美しいものとして描いています。そして開眼手術のあとに彼女はこの世の苦いもの、罪を知り、また自身の心のありようを知ったとされています。
牧師もジェルトリュードもその息子ジャックも自身の中にある何かに心とらわれた盲人であり、導く以前に相手の手をとることもできていない。解説にある探求者として変化し続けるジッド像に合致する固執による悲劇をテーマとした小説かと思います。
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