勝氏の素晴らしさは言わずもがな、田宮二郎の八尾の朝吉最高です。今、ダンデイな2枚目でこんな演技出来る人いないですね。
道徳的な人生相談を超えた人生相談です。
じっくり読むと味があるが、ポンポン読んでも面白い。
生きることが楽しくなる、男として生きていきたいと思わせる。
特に、どどどどもる体質の筆者が
小学生時代、類義語辞典を愛読してどもらない言葉を追及した話、
どもりを利用した女性の口説き方の章は絶品である。
今東光和尚の文章はやくざな語りのせいで俗な話のように聞こえてしまうが、
きっちり古典を収めた上での切り口で読む者を飽きさせない。この独特の
スタイルがあまりに印象に残るため、和尚の普通の小説を読むと逆に
物足りない感じがある。
この本は毒舌で歴史を語るというより、天台の僧侶が見る歴史観であり、
廃仏毀釈の及ぼした害や、神道と仏教のつながり、昔の日本人のモラルが
いかに宗教をベースにしていたかが良く見えてくる。この本のエピソード
のひとつひとつが十分小説になりそうなトピックなのに、おしげもなく
語られており、もったいないぐらいの感があるほどだ。
学生運動さかんなころに書かれた本なので、運動批判がチラホラするのが
うざい感じもするが、それ以外は今でも驚きの内容がふんだんに盛り込ま
れている。
今の時代に和尚が居てくれたら、どんな言葉を投げてくれただろう。
そんな思いにとらわれながら一気に最後まで読んでしまう本だ。
悩み、不安、心配など視点を変えれば何ということは無いんだよと言うことを 飾らない言葉(というよりもズバッと)で語っています。 それって答えになってるの?というのも中にはありますが…(笑)
もともと'70年代後半の雑誌にあった質問コーナーをまとめた本書ですが、 古さを感じさせない内容です。
もともと、昔の本を読むにあたって宗教知識ってのは欠かせないなぁとは思っていて、タイトルだけで読んでみたです。今東光ってヒトの存在も薄々は知ってたけど具体的には知らなかったし。そういう人間にとっては、「自己弁護のツールとして『仏教』を得たけったいなおっさん」と見えてしまうです。講話をテキスト化したものなんだけど、こーいう方の話ってのは実際聴かないとおもしろさは分からないだろうし、人柄や口調を知ってる上で読むならいいんだろうけど、初見のヒトにはさほどの魅力を感じないんじゃないかと。つか感じなかった。今氏の責任じゃないだろうなとは思うけど。 断片的な知識は得られても、文庫本一冊で気楽に仏教を知ろうというのが虫がいいわな。
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